【Q】七種泰史
では、これからのフォントの作り手、使い手に何を望まれますか。

【A】棚瀬伸司
作り手は作りたいものを作り、使い手は使いたいものを使う。今これがほぼ満たされる状況にあるのは、使い手側だけではないでしょうか。

【A】山田正彦
良い悪い、上手下手、好き嫌いなどの判断には個々の基準があるものだと思います。作り手も使い手もそれぞれの判断に基づいて制作し使用しているのでしょうから、とやかく言う気はありませんが、前述の皆さんの意見にあったように、タイプフェイスは著作物であるという認識を、作り手、使い手の両者がきちんともつことが必要で、そういったところから知的財産権の意識がデザイン関係者だけでなく一般にも定着していくことを望みたいです。

【A】奥村昭夫
勝手気まま。なんでもあり。

【A】伊勢谷浩
自分で納得できるものを創ってゆきたいと思うけど、これが中なか難しくて悩んでいます。
作品って、世にでると勝手に一人歩きしちゃうからなぁ。

【A】神田友美
作り手には、良いタイプフェイスの追求、文字の質の向上とデジタル環境の改善が目標だと思います。
 使い手には、どのフォントが制作物に合うかの的確な判断とこだわりがフォントが増えるほど必要になると思います。

【A】池上貴文
モラル。

【A】長谷川眞策
フォント制作者には厳しい時代といわれていますが、低価格で競争し合うしかない現在の日本経済、政治家に大衆感覚が無いこと、そして付加価値に対する日本(特に官庁)の評価の認識不足が厳しいものにしている。
 日本文字の漢字と仮名の組み合わせは世界どこにもない優雅な世界です。日本の文化なのです。その書体を操る人は大変な人たちなのです。がんばって欲しい。書体を使う選択は自由です。

【A】西田一成
素材(フォント)は眺めているだけのものではない。料理されて初めて評価される。作り手(生産者)は、使い手(料理人)の気持ちを汲んで制作する。使い手は作り手の素材(フォント)を生かした料理を作る事。自分の書体が上手に料理された作品に出会ったら、お礼をいいましょう。

【A】土屋淳
作り手側に対して:まずは、パクリはやめて頂きたい。文字の歴史に感謝し、プライドさえもっていれば安易な行為はなくなると思います。
 使い手側に対して:フォントに限らず、ソフトであれハードであれ、自分の向こう側に必ず創作・制作者や製造者がいることを忘れないでほしい。つまり、敬意を忘れず特に違法コピーやパクリ等に対しての見識を持って頂きたいということです。

【A】味岡伸太郎
フォントの作り手には、使い手の気持ちを配慮した、とにかく良い書体を作ること。
 フォントの使い手には、作り手の気持ちになって使い、創作権を認め、不当なコピーをしている方はただちにやめて使用料を支払うこと。