座談会:
初めてのタイプフェイスデザイン レタリングを知らない世代がフォントを作る。 参加者 有賀沙織:グラフィックデザイナー 後夷香織:グラフィックデザイナー 豊島晶:グラフィックデザイナー 座談会進行 山田正彦 FONT1000のメンバーは、キャリア40年クラスのベテランから、ついこの前までは学生でデザインの経験も浅い、いわゆる文字作りの初心者までと幅広い。そこで、まさに何もかも初めてずくめという若いメンバーにフォント制作について語ってもらった。 山田/まずみなさんの、フォント作りのきっかけから教えていただけますか? 後夷/以前からFONT1000のことは先生などから聞いて知っていました。学生時代に卒業制作をやっていた時、フォント1000をやってみないかとアドバイスをいただき、自信はなかったのですけど作ってみました。 有賀/私も学校の3回生のゼミの授業でフォント作りをはじめての学びました。とてもおもしろかったので、授業が終わってからも作り続け、ある程度文字数が増えてきたところで、日本タイポグラフィ年鑑の受賞を目標にしてみないかとアドバイスをいただき、本格的に始めました。 豊島/私も卒業制作で作り始めました。メインはフォントデザインでなく、サブのツールとして作り始めたのが最初です。だんだんおもしろくなって、数を増やしていきました。 山田/卒業制作でといっても、完成させたということではないですよね? 最終完成は、社会人になってからやったということですね。社会人になってからはどのくらいの量をこなしたのですか? 豊島/社会人になってからの方が多かったです。 後夷/私は社会人になってから始めました。基本は卒業制作と同じなんですけど、途中からまた変えて作り始めたので、一からのスタートとなりました。 山田/みなさんの書体のデザインコンセプトというか、テーマのようなものがあったら聞かせてもらえますか? 豊島/卒業制作は有松絞という伝統工芸について取り組んだので、メインのビジュアルを有松絞の柄などを使い、文字をビジュアル化したポスターを制作しました。キャッチコピーで自分の文字を使いたかったのですが、あまり使えなかったです。 TA-晶 TA-杏 TA-浪漫 |